> 東京大学 ブロックチェーンイノベーション寄付講座 - Endowed Chair for Blockchain Innovation, the University of Tokyo
we do research and development on blockchain technology to make a better future world.
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> 寄付講座の概要
近年、ビットコインやイーサリアムを始めとするブロックチェーン技術は今後社会に大きなイノベーションをもたらすと言われています。
しかし、既存のビジネスとは大きく異なる柔軟な視点が必要な上、日本では国外に比べ応用事例が少ないという問題があります。
本講座ではブロックチェーン技術を用いた社会実装の事例研究を主に取り組み、それに対して個別事例での応用を見据えたブロックチェーン技術やトークンエコノミー・クリプトエコノミクスの研究を行います。
2018年11月より活動を開始した本講座は、2024年2月に第3期を迎えました。
第3期では公開講座の実施を始め,より教育に力を入れた活動を行っています。
> 活動の3つの柱
本寄付講座は「社会実装」「研究開発」「人材開発・育成」の3つの軸で活動します。
# 社会実装
> ブロックチェーン企業の創出を行います。
> ブロックチェーン技術を用いた事例の社会実装について検討します。
> ブロックチェーンを用いた新しいビジネスモデルによる、ベンチャー企業を創出します。
> 社会工学的見地より、政府に政策提言を行います。
# 研究開発
> ブロックチェーン技術の整理を行います。
> ブロックチェーンの研究を行います。
> 技術的な応用の限界と研究開発による伸びしろの検討、リスクマネジメントを行います。
> ブロックチェーン技術、トークンエコノミー、クリプトエコノミクスの研究を行います。
# 人材開発・育成
> ベンチャー企業で活躍、起業ができる学生人材の開発・発掘を行います。
> ビジネス、技術の両面のバランス感覚の取れた学生を輩出します。
> 起業家創出のための最高の環境を整えます。
> 研究内容
本寄付講座では、ブロックチェーン技術が直面する複数の研究課題に計算機科学や暗号学、経済学などの観点から取り組んでいます。
ブロックチェーンは自律分散的な合意形成を伴うシステムにとって重要な要素技術であり、Bitcoinの送金に始まるその用途は、Ethereumのより汎用的なプログラムの実行や、NFTにおける文化的コンテンツの管理など多岐にわたる分野へと拡がりつつあります。
他方で、ブロックチェーン技術にはこうした可能性を制約するような研究課題も存在します。たとえば透明性の代償として記録できるデータの種類が限られるプライバシー問題、自律分散性の代償として一定時間内に処理できるデータ量に限界があるというスケーラビリティ問題、システムの外からブロックチェーンに記録されたデータ内容の正しさを担保することも現状では困難であるというオラクル問題です。
こうした研究課題の解決には分野横断的な取り組みが不可欠です。現在プライバシーとスケーラビリティの問題にはゼロ知識証明と呼ばれる暗号学的技術が、オラクル問題には経済学的なインセンティブ設計がそれぞれ注目されていますが、これらを実用的な形でブロックチェーン技術に応用するには計算量や通信コストなど計算機科学の論点も考慮せねばなりません。
私たちは多様な専門分野を活かし、上記の例を含む複数の研究課題に連携して取り組んでいます。
今までの研究例として、暗号資産は支払いのための通貨となりうるのかという根源的な問題や、NFTや暗号資産の価格モデルによる分析、またブロックチェーンとゼロ知識証明を用いたトレーサビリティへの応用、インセンティブ設計の理論的な解析など、多岐にわたります。
> publications
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Shibano, Kyohei, Ruxin Lin, and Gento Mogi. "Volatility reducing effect by introducing a price stabilization agent on cryptocurrencies trading." Proceedings of the 2020 The 2nd International Conference on Blockchain Technology. 2020.
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芝野恭平, 茂木源人. "安冨モデルを用いた暗号資産の通貨機能獲得に関する分析." 情報処理学会第83回全国大会 (2021).
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Ito, Kensuke, Kyohei Shibano, and Gento Mogi. "Predicting the Bubble of Non-Fungible Tokens (NFTs): An Empirical Investigation." arXiv preprint arXiv:2203.12587 (2022).
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Shibano, Kyohei, and Gento Mogi. "An analysis of the acquisition of a monetary function by cryptocurrency using a multi-agent simulation model." Financial Innovation (2022).
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Suegami, Sora. "Cryptographic obfuscation for smart contracts: Trustless bitcoin bridge and more." Blockchain: Research and Applications (2022).
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Bukhary, Husam, Kyohei Shibano, and Gento Mogi. "High-Frequency Spillover Analysis of Cryptocurrency in the Exchange Listings." Proceedings of the Blockchain and Cryptocurrency Congress (B2C' 2022) (2022).
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Shibano, K., T. Nakajima, and G. Mogi. "Wood Traceability System using Blockchain and Zero-knowledge Proof." Proceedings of the Blockchain and Cryptocurrency Congress (B2C' 2022) (2022).
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Ito, Kensuke, "BE MORE CONCEPTUAL REGARDING NON-FUNGIBLE TOKENS (NFTS) AS ART", Leonard (2023).
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Okubo, Ikkou, Kensuke Ito, Kyohei Shibano, and Gento Mogi, "Non-fungible Token Bubble Prediction Using Extended Log-periodic Power Law Model", Proceedings of the 4th International Conference on Blockchain and Internet of Things (BIoT 2023) (2023)
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Suegami, Sora, and Kyohei Shibano, "Contract Wallet Using Emails", Proceedings of the 5th IEEE International Conference on Blockchain and Cryptocurrency (ICBC 2023) (2023)
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Han, Changhee, et al. "All-in-one platform for AI R&D in medical imaging, encompassing data collection, selection, annotation, and pre-processing." Medical Imaging 2024: Imaging Informatics for Healthcare, Research, and Applications. Vol. 12931. SPIE, 2024.
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Ito, Kensuke. "Cryptoeconomics and Tokenomics as Economics: A Survey with Opinions." Proceedings of the 6th IEEE International Conference on Blockchain and Cryptocurrency (ICBC 2024) (2024).
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Shibano, Kyohei, et al. "Secure Processing and Distribution of Data Managed on Private InterPlanetary File System Using Zero-Knowledge Proofs." Electronics (2079-9292) 13.15 (2024).
> access
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東京都文京区本郷7-3-1
工学部3号館 233室 茂木研究室内
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