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第5期6チームの最終報告レポート

最終更新: 3月18日

2021年3月3日(水)に、第5期生による最終報告会が行われました。

本記事では、最終報告会の内容を簡単に振り返ります。


(以下、発表順。敬称略)

  1. DataHouse: ペット保険業者向けの診療データ流通サービス

  2. LiNew: 中等教育従事者の探求学習の方法論共有ネットワーク

  3. NFTを担保にしたレンディング

  4. 分散的なステーブルコイン

  5. ゲームコンペティショントークンエコノミー

  6. ANIFTY:アニメアート・デジタルキャラクターのNFTマーケットプレイス

●DataHouse(代表者:川口博也)

DataHouse - P2Pペット保険

◎P2Pのペット保険事業のモデルを提案しました。近年、保険領域でブロックチェーンを活用する海外事例が増加していることから、この事業領域に着目しました。特に、ペット保険は加入率が低く、市場としては急成長がみられるものの、レッドオーシャンではないことから参入のチャンスがあると考えました。ヒアリングの結果、保険料がペット保険最大の課題と仮定し、その保険料をさらに、純保険料と付加保険料に分けて、それぞれを下げようとアプローチしました。

 当初は、ペットオーナーと獣医からペット医療データを集積し、保険事業者へ渡すモデルを構築しました。少額短期保険会社と事業検討を進めていく中で、ピボットし、グループ加入審査や保険金審査といった業務をP2P化する事を考案しました。その後さらに、SNS型で被保険者同士が交流する保険へピボットしました。


 質疑応答では、高い専門的知識を必要とする保険領域に参入する際に、どのような戦略を取るべきか、どのように事業をピボットするかといった議論が行われました。




●LiNew(代表者:登阪亮哉)

LiNew - 中等教育従事者の探求学習の方法論共有ネットワーク

◎教員が作成する「指導案」を教員同士でピアレビューを行うことで、コーチングの質が向上するという効果が示唆されました。そこで、ピアレビューを行うシステムを構築し、イーサリアム上にコントラクトとしてデプロイしました。

 DeFi領域における先行事例を分析し、複数人による判断の方が単独の有識者による判断よりも正当性が高まるという「集団知性」の概念を参考に、インセンティブの設計を試みました。ユーザーは独自のNEWトークンを消費して評価を行い、実際の評価結果と近い評価を行なったユーザーに多くの報酬=NEWトークンが支払われます。


 ピアレビューの効果は以前から指摘されていましたが、評価の妥当性や評価することへのインセンティブ設計が難しいという課題がありました。今回設計したシステムをさらに改善し、パッケージ化すると同時に、ピアレビューの「フィードバック」をシステムに組み込むことを検討していく予定です。



●NFTレンディング(代表者:金谷光一郎)

NFTを担保にしたレンディングサービス

◎1年で約50%も市場が拡大しているNFT市場に着目。NFTを用いたDeFiサービスはまだ少ないですが、今後、NFTそのものを貸し借りするサービスや、NFTを担保とする借入などが誕生すると考えています。その第一歩として、ERC721のNFTを担保にトークンを借りることができるシステムを開発しました。ユーザーはNFTを担保にする際、借りたい金額や期限を設定することができます。期日を超えても返金されない場合は、貸し手は担保されているNFTを回収することが可能です。トランザクションに署名を追加することで、同じNFTを何度も担保に出す行為などを防ぎ、セキュアな取引を実現しています。

 また、必要となるトランザクション数を減らし、gasコストを下げています。同様の仕組みを用いて、NFTのオークションを開くことも可能になります。取引後、ユーザーに対してガバナンストークンを配布しており、今後はガバナンストークンの保有量に応じて即時レンディングが可能になる、といったサービスを検討しています。ホワイトペーパーを執筆予定です。



●STB(渡邉草太)

分散的なステーブルコイン

◎法定通貨担保型のステーブルコインには、担保資産の有無に関して、中央集権的な機関をユーザーが信頼する、あるいは監査する必要があります。一方で、仮想通貨型のステーブルコイン(DAIなど)には、担保元の仮想通貨の変動が大きいため資産運用効率が高いといったデメリットがあります。

 そこで、仮想通貨を担保に発行されるステーブルコインで、独自の価格安定機構を持った分散型ステーブルコイン(仮名:STB)を提案します。STBの価格に応じて担保比率を変化させることで、最終的にほぼ無担保なステーブルコインにすることを目指して開発を進めています。



●ゲームコンペティション・トークンエコノミー(代表者:村田健)

ゲームコンペティション・トークンエコノミー

◎コロナ禍によって自宅でゲームに費やす時間が増加傾向にある一方で、ゲームに費やした時間や技術が評価されない点に課題を感じました。そこで、オンラインでのゲームのコンペティションを誰もが自由に開催できるプラットフォームを考案しました。

 参加者はトークンを支払うことでコンペティションに参加し、ゲームの主催者や成績上位者に報酬としてトークンが支払われる仕組みです。大会の主催者が管理をする仕組みと、参加者の中から審判が選ばれて大会の勝敗を記録する分散型システムの2通りのモデルを提案しました。また質疑応答では、参加費は無料にする代わりに、広告ビューによって原資を集める方法も可能ではないかという議論が行われました。参加費を直接分配してしまうと賭博法に抵触するなど法律面の課題をいかに克服するかが重要です。



●ANIFTY(代表者:栗山純一郎)

ANIFTY - アニメアート・デジタルキャラクターのNFTマーケットプレイス

◎アニメをはじめとした日本のコンテンツに関連するデジタルアートやデジタルキャラクターを、グローバル規模で自由に売買できるNFTマーケットプレイス「ANIFTY」を考案、開発し、事業化に向けて取り組んできました。ANIFTYチームは、グローバル規模でクリエイターとファンを直接的に繋ぐことで、海外の需要を開拓し、日本の潜在的な魅力の最大化につなげることをビジョンとし、進めています。2019年には、アニメ産業全体の市場規模は2.5兆円を突破し、海外市場はその47.8%を占めています。

 しかし海外での需要が高まる中、国内クリエイターには利益がフェアな形で還元されていない現状に課題意識をもっており、産業の中央集権的な構造にその本質的な原因・問題があると考えています。「ANIFTY」では、ファンとクリエイターが直接的な取引を行うことが可能です。NFTを購入したユーザーはさらにその権利を二次流通売買することができ、オリジナルのクリエイターには売却益の一部(ロイヤリティ)が永続的に還元される仕組みを設計しています。


 また、プログラム期間中に法人登記が完了しました。2021年第3四半期にはベータ版のリリースを行い、ビジネスモデルの検証を行う予定です。


どの発表も興味深く、プロジェクトの今後の展開が楽しみです。お疲れ様でした!

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私は東大ブロックチェーンイノベーション寄付講座に第4期生として参加し、チームで Artreeというサービスを開発、さらに合同会社として共同創業しました。 元々、建設・土木が専門だった私が、なぜブロックチェーンに興味を持ち、Artreeを立ち上げるに至ったのかを紹介させていただきます。 自分に出せる価値を必死に探した留学時代 私は現在工学系研究科社会基盤学専攻の修士2年に在籍しています。私は、大学院