2025年度ブロックチェーン公開講座の振り返り
- k-ito21
- 2月27日
- 読了時間: 5分
東京大学ブロックチェーンイノベーション寄付講座 特任研究員の伊東です。
本稿では、昨年末に終了した2025年度ブロックチェーン公開講座の振り返りを行います。
以下のテキストとともに、講座の雰囲気を知るための参考資料としていただければ幸いです。
今年度の本講座は、以下のスポンサーのおかげで誰でも無料で受講可能な形式で実現することが叶いました。スポンサーの皆様からは金銭面のみならず、さまざまな面で多大なるサポートをいただきました。心より感謝申し上げます。
【寄付者(五十音順、敬称略)】
Casley Deep Innovations株式会社
株式会社グッドラックスリー
Sparkle AI株式会社
トヨタ自動車株式会社
株式会社三井住友フィナンシャルグループ
渡辺創太
何を行ったのか?
4月から12月までの約9ヶ月間に渡り、ブロックチェーン関連の技術に関する学習プログラムを提供しました。
4月から9月までを座学 (1回105分)、10月から12月までをグループワーク期間としました。座学は概要を知るためのTerm1と詳細を知るためのTerm2の二部構成にしたり、プログラミング学習のコマを設けたりと、前年度からさまざまな改善を加えています。
具体的なタイムテーブルは以下のとおりです:
日付 | 曜日 | Term | 講義内容 |
2025/04/08 | 火 | Term1 | ガイダンス・ブロックチェーン概要・非中央集権とは |
2025/04/15 | 火 | Term1 | ビットコイン、イーサリアム概要 |
2025/04/22 | 火 | プログラミング学習 | Linux講義 |
2025/04/23 | 水 | プログラミング学習 | Linux講義 |
2025/05/07 | 水 | Term1 | Dappsの事例(DeFi) |
2025/05/13 | 火 | Term1 | Dappsの事例(DAO) |
2025/05/20 | 火 | Term1 | DAO演習 |
2025/05/27 | 火 | Term1 | エコノミクス入門 |
2025/06/03 | 火 | Term1 | エコノミクス入門2 |
2025/06/10 | 火 | Term1 | Web3法律 |
2025/06/17 | 火 | Term1 | 最近のWeb3トピック |
2025/06/24 | 火 | Term1 | 中間試験 |
2025/07/01 | 火 | プログラミング学習 | 修了生との交流・質問会 |
2025/07/08 | 火 | プログラミング学習 | スマートコントラクトプログラミング |
2025/07/15 | 火 | プログラミング学習 | Web3のためのWeb2技術 |
2025/07/22 | 火 | Term2 | ビットコインその1 |
2025/07/29 | 火 | Term2 | ビットコインその2 |
2025/08/05 | 火 | Term2 | イーサリアムその1 Eth1.0 |
2025/08/19 | 火 | Term2 | イーサリアムその2 Eth2.0 |
2025/08/20 | 水 | Term2 | L2技術、MEV |
2025/09/02 | 火 | Term2 | ZKその1(概要・実装) |
2025/09/03 | 水 | Term2 | ZKその2(応用事例) |
2025/09/09 | 火 | Term2 | エンタープライズブロックチェーン |
2025/09/16 | 火 | Term2 | インターオペラビリティ |
2025/09/24 | 水 | Term2 | 最近のWeb3技術 |
2025/09/30 | 火 | Term2 | 最終試験 |
2025/10/07 | 火 | グループワーク | グループワークガイダンス |
2025/12/18 | 木 | グループワーク | グループワーク発表会 |
なぜ行ったのか?
本講座の目的はもちろんブロックチェーンに関連する知識の普及ですが、より詳しくは
新しいトピックが次から次に登場するため体系的な学習が難しくなっている
日本語の学習資料が不足している
というふたつの問題意識が実施の動機でした。そのため本講座は、
座学をTerm1, Term2に分割して全体像を掴みやすくする
すべて日本語で行う
形式を採用しています。
どのように行ったのか?
座学講義
Term1では、初学者の方々を対象にした講義を提供しました。具体的には、Bitcoin ProtocolとEthereumの概要からDApps、エコノミクス、法律面まで、広く全体像を掴むことを目的とした構成となっています。今回はTerm1の終了時点で中間試験 (選択式) を行い、かつその後に懇親会を開催して一区切りとすることで「Term1だけ参加する」ことを許容する設計にしました。また、毎回の講義後に質問交流会を設けることで、前年度の課題であった参加者間の交流促進も試みました。
Term2では、各トピックについて掘り下げた講義を提供しました。Bitcoin ProtocolとEthereumの詳細を時間をかけて再度学び、以降はL2やZKなど、スケーラビリティに関する技術を中心とした構成となっています。Term2の終了時点で期末試験(選択式)を行い、回答者には成績に応じてPolygon Network上で発行されたSBT (2025年度版) を発行しています。
*Term1, 2の講義動画はYouTubeにアーカイブし、受講者が後からでも視聴できる状態にしています (ただし一般公開はせず)。

初回講義(ガイダンス)の様子

Term1終了後の中間発表会

Term1終了後の懇親会
グループワーク
グループワークは前年度と同様、期末試験受講者の中から参加希望者を募り、運営側でグループ分けを行う形を採りました。最後の成果発表会を除きオンラインでプログラムを進める点も前年度と同様です。
他方で、今回は新たに
DAppsのみならずライトペーパーも成果物として認める
グループワーク不参加の方々を対象に「NFTを作ろう会」を実施する
といった試みを行いました。これらには、グループワーク期間をより多数の多様な方々に楽しんで貰えるようにする意図がありました。



成果発表会の様子 (作ろう会で作成したNFTを会場で配布しました)
最後の成果発表会では各グループが実地でプレゼンテーションを行い、その発表に対してグループワーク参加者全員による投票で優勝チームを決定しました。評価基準は「Why Blockchain」「新奇性」「完成度」という3項目で構成されています。この成果発表会後に2回目の懇親会を実施し、今年度のプログラムは終了となりました。
2026年度は…
このように、2025年度は初学者も経験者も満足できるようなプログラム構成にした点が大きな変更でした。また、各講義の内容も前年度からかなり磨くことができたと自負しています。
以上の蓄積を踏まえ、来年度の公開講座は構成を一新する予定です。具体的には、公開講座は過去動画を中心としたオンライン完結形式にしつつ、並行して各トピックについて対面形式で深堀りする応用実践プログラムを開催いたします。応用実践プログラムの詳細および2026年度の公開講座 / 応用実践プログラムへの参加申し込みについてはこちらをご参照ください!

